サン・シュルピス教会

Église Saint-Sulpice

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bluemoon9さんのMyノート

2010-11-29 11:56 編集

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いきなりこの写真を見せられると、どこの工事現場?と思われるかもしれない。いやいや、こここそ、あの「ダ・ヴィンチ・コード」の主要舞台として大活躍した、“ローズライン”のあるサン・シュルピス教会(St-Sulpice)である。工事はずいぶん前からかかっているものらしくて、写真の通り、私が行った時は、教会堂の右半分しか見えない状態となっている。実はこの普通に見えた右側の塔は未完成のままに残されているものである。ちょっとだけ先端を覗かせたネオクラシック風の左塔に比べて、右の塔は装飾が極端に少なく、模様もほとんど施されていない。教会の建設開始は1646年頃だったが、その後中断や被害が絶えなく、最終的にエトワールの凱旋門の建設に従事したシャルグランの手によって修復され、ようやく現在の風貌に至ったという。こう考えれば、かれこれ200年も近い歳月がかかったものだ。。一見アンバランスのファサードを持つサン・シュルピス教会であるが、実は奥行き120m、幅57mの規模を誇り、パリではノートルダム教会堂に次ぎ、二番目に大きい教会堂である。ピエタ。説教壇。サン・シュルピス教会にはいくつかの必見ポイントがある。その一つ目は入口の上方を飾るパイプオルガン。このオルガンは世界でも有数の名品で、製作者はオルガンの名手AristideCavaillé-Collである。ヨーロッパでは“100ストップ(音栓)”を持つオルガンは3台しかないと言われているが、サン・シュルピス教会のこれがその中の一台である。二番目の必見ポイントはドラクロワの3枚のフレスコ絵(二枚は壁画、一枚は天井画)。そしてよく知られているように、その中で特に有名なのがこの「ヤコブと天使の戦い」。力のこもった格闘の様子が静かな風景と見事なコントラストをなして、ドラクロワの晩年の傑作。こうやって教会の中で眺めると、やっぱり美術館で絵画を鑑賞する時の気分と違う。。なんと言ったらいいだろう、凄みと言うか、神が降りてきそうなリアリティが身に沁みて感じる。三番目のポイントとなると、無論、「ダ・ヴィンチ・コード」で一躍有名になった「ローズライン」と呼ばれた真鍮の子午線。18世紀に設置された子午線とオベリスクは小説の中で謎を解く鍵となるが、教会側は「子午線は異教徒の寺院とは無関係。ローズラインと呼ばれたこともない」と大反論。とにかく観光客が急増したことで、大迷惑になっているらしい。写真撮影を控えてほしいということで、結局私は撮らないことにしたが、便宜上、wikipediaからこの写真を借用させてもらう。教会の中にオペリスクが立つこと自体が、実に不思議な光景である。サン・シュルピス教会の前に小さな噴水がある。ライオンの口から水が吐き出されて、中央の座の四面に彫られたのがルイ14時代の有名な説教師たちの像であるらしい。あと少しで、この日の旅が終わる。

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