ジャックマール・アンドレ美術館

Musée Jacquemart André

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kokorinさんのMyノート

2010-11-26 11:51 編集

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Jean-MarcNattier(ジャン−マルク ナティエ)の"ダンタン公爵夫人マルチド・ドゥ・キャニーの肖像"パリで生まれた18世紀において最も輝いた肖像画家で、ロココ調の甘く美しい女性の肖像画が多い事で知られていますが、この絵もまさにナティエらしいまぶしいばかりの肖像画です。左手に子犬を右手には小鳥を持って遊んでいるのでしょうか?パールの輝くドレスを身にまとい肩からたすき状にこぼれる様な花と髪にも少し花をあしらっています。公爵夫人とは思えませんね。まだまだ少女のように光り輝いています。この屋敷のマダムであるネリーも肖像画には定評がありました。この絵はそんな彼女のお気に入りの画家だったのではないでしょうか?沢山の肖像画の中にこの絵には何か特別な意味があるように思えます。これからはあの階段を上った上にある世界です。あの予感は間違いではありませんでした。レンブラントのエマオの晩餐です。ここではキリストの姿は黒いシルエットで描かれ、目の前の人がキリストの生き返りだと気がつく男性の驚きがロウソクの明かりで映し出されています。奥の方で家事をしてるのはこの家の奥さんでしょうか?あの方も主人の驚きをそっと感じた様です。今まで見たエマオの晩餐の中でもこれは明暗の対比が強く驚きがより強調されてる様な気がします。ボッティチェリの聖母子像です。この御夫妻はボッティチェリが大好きだった様ですがこの絵は始めはボッティチェリと解らずにこの絵を購入し後で鑑定の後ボッティチェリと解ったという物です。なにげない仕草の聖母子ですがキリストはとても可愛く描かれ聖母マリアはやはり凛とした美しさがあります。しかしこの絵も幸運ですね。名無しの権兵衛からまたしてもシンデレラの登場です。二人の絵の収集は自分たちの気に入った物から集めていった様です。毎回芸術を好む名士を集めて晩餐会を開いては次に買う絵を探したのではないでしょうか?もっといい絵はないか?これに尽きると思います。そんな夢物語の中にある絵は私まで夢の中に連れて行ってくれました。部屋中にまるでそこはイタリアのルネッサンスなのです。また有る部屋はベネチアだったりフランスももちろんありますよ。ウッチェロの竜を退治する聖ゲオルギウスです。トルコのカッパドキアに毒は振りまき人に噛み付く悪竜がいました。一日に二匹の羊を生け贄にその災難から逃げていましたが遂に全ての羊を生け贄に捧げてしまいました。とうとう人間を生け贄に捧げる事になったのですがそのくじに当たったのはなんと王様の娘だったのです。そこに通りかかった竜退治で有名なゲオルギウスが王女を助ける場面です。ウッチェロに動物を描かせたら天下一品だとまたまた感心させられました。悪竜も聖ゲオルギウスの矢で一付きにされてはたまりません。竜の悲鳴が聞こえてきそうです。後ろの王女は神に祈っていますが後少しでかみ殺される所だったのに平然としていますね。流石は王女様でありました。聖ゲオルギウスの象徴は竜と赤色十字架そして白い馬に乗ってる姿です。一直線に並んだ王女、竜、ゲオルギウス。このすっきりした構造と色使い、私の好みです。私がもしこの絵を手にして家に持ち帰るなんて事を想像したら‥‥喜びを表す言葉が見つかりません。あり得ない事で良かったと思いました。マントーニャもいくつかありましたが、"この人を見よ"です。体には鞭で打たれた後がうっすら赤くなっています。両手を縄でしばられ首にも縄がまかれて苦しみに耐えるキリストの顔と両脇からキリストを押さえもっとあくどい事をやってやろうといわんばかりの形相の二人の顔が対照的です。後ろに黒い十字架のような形の物が見えますね。これから十字架に架せられる暗示ではないでしょうか?マントーニャのサラダを食べれば良かったとまたここで思い出してしまいました。私はマントーニャの原色を使わない白く灰色っぽい色使いこれはこれで魅かれてしまうのです。奇麗な裸体それにリアルな表情の表現に、つい見とれてしまいます。ヴェニスの風景画家フランチェスコ・グァルディの"あるヴェニスの景色"です。あーヴェニスだ!そう思ってみていたらなんと実際に有る風景でなく架空の景色だそうです。ヴェニスは一見賑やかな豪華な雰囲気がしますが舞台裏はどこもこんな“昔は良かった”の感があります。今にも朽ちそうな建物や廃墟の様な空間。それでもうら寂しさを感じさせないのがイタリア、ヴェニスの凄い所です。青い空のせいでしょうか?それとも時折頬を撫でていく海風のせいでしょうか?沢山の絵を見ていてなぜか引きつけられる絵が何枚かあります。そしてようやくどなたの描いた絵かとプレートを見るとまた吃驚。よくよく私はこの人の描く絵が好きなんだろうと感心します。ジョヴァンニ・ベリーニの"王座の上の聖母子"でした。ベリーニと言えばヴェニスで必ず飲むカクテルですが、このカクテルもヴェニスのハーリーズバーで1948年にベリーニの展覧会があった時に記念して出来たカクテルです。プロセッコ(イタリアのシャンパン)にモモのジュースが入っていて色も奇麗で香も良い飲みやすいカクテルです。ベリーニは初期のヴェネチア派を築いた人でマントーニャやティツィアーノに影響を与えましたがティツィアーノはやがて師をジョルジョーネにお鞍替えをします。確かにこの方の絵は荒削りで粗野で少し固い堅固な感じがしますが色使いの華麗さと堂々とした人物像に私は釘付けになってしまいました。これがフィレンツェの画家の手によってしまえばもっとひだのたっぷり取った軽い天使の着る服になったでしょうが‥‥あーでも私はこの絵がたまらなく好きです。どれか一枚あげると言われたらウッチェロの絵かこれを頂きますね。あっこれまたあり得ませんが‥‥絵の話になるとなかなか尽きることがありません。アンドレ夫妻もそうだったに違いありません。この御夫妻の一年間の絵画の購入額は当時のルーブル美術館を上回っていたそうです。信じられない事ですがルーブルの絵画購入予算は年間20万フランだったのを夫妻は22万から時に57万と使っていたそうです。それもルーブルの絵画購入担当と密に連絡を取りあいルーブルの決して邪魔をしない様にまた有る時はルーブルの変わりに絵を購入してルーブルに寄付すると言う事もあったそうです。今日はもう俗っぽい事を書く気になりません。それで今日のもう一枚マントーニャの聖クリストフォロスの伝説です。聖クリストフォロスはレプロブスと言う名前でした。あるときこの世で最も偉大な主君に使えようと旅に出ます。旅の途中で巡礼者の川渡しをの仕事をしていたらある日幼子に川渡しを頼まれました。その子を背負って川に入ると見る見るうちに水かさが増えその子は巨大な岩の様に重くなります。まるで全世界を背負ってるようだと言うと、幼子は“貴方は全世界を背負っただけでなく世界を創造したした人を背負っている。私こそキリストです。”と言いました。それからクリストフォロスと名前を変えました。クリストフォロスはギリシア語でキリストを背負うと言う意味です。このクリストフォロスは旅行者、航海者、車の運転手の守護神です。この絵はパドヴァの教会の礼拝堂にフレスコ画として描かれてるそうですがそちらはいま随分痛んでいてその絵を見る事は出来ません。ここに小さいですがその絵がありました。一番右に巨人が転がっています。彼がクリストフォロスです。真ん中はキリストが教えを説いています。左はサンセバスチャンを描いてると思われます。(肝心な所が切れてしまっていますが)私が今までに見たマントーニャの絵の中で一番描かれてる人の数が多い絵で色使いも豊富です。マントーニャもこんな絵も描くんだと知った絵でした。

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