基本紹介編集履歴
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今回の宿泊は、オテル・リッツ・マドリッドに6連泊です。オテル・リッツのサイトにアクセスして直接予約しました。利用した部屋はデラックス・ルーム。さっき調べたところ、2009年の通常料金は一部屋一泊690.15ユーロになってましたが、私が予約した時点では特別料金とのことで、一泊325ユーロ(!)でした。 こちらのホテル、20世紀初頭にスペイン国王が、ホテル王セザール・リッツに建てさせた由緒正しいホテルでして、格付けでも最高の五つ星に加えてGranLujoというのが付くランクになっています。GranLujoという格付けが、サービスそのものに対するものなのか、建造物の歴史的価値に対するものなのか、その辺はわかりませんが、最高格付けのホテルということで、どんなホテルなのか是非体験してみたいという同行者の希望もありまして、さらに上にも書きました通り、なぜか宿泊料がかなりお安い、そんなわけで今回は贅沢にもこちらのホテルに宿泊ということになりました。ちなみに「Lujo」という単語そのものは、「豪華」という意味みたいです。明らかに一人だけ違う雰囲気を醸し出しているその人がリッツの出迎え。この人がドライバー自身でして、一緒に駐車場まで移動、ベンツに乗ってホテルに向かいました。 オテル・リッツの入り口は一人ずつしか入れない昔ながらの小さな手動式回転ドアです。中に入ると、それほど広くない円形のスペース。中央に丸いテーブルがあり、その上に花瓶が置かれています。左手前にレセプションがありますが、こちらもとても小さい。事務室みたいな感じ。3組も4組も同時にチェックインをすることはできません。しかし、このホテル、そもそも部屋数が167室と少ないので、そういう心配はおそらくないのでしょう。木製の壁やデスクが時代を感じさせます。私がレセプションに案内された時には担当者がおらずしばらく待たされた後、チェックイン。予約通りの宿泊条件であることを確認しました。受付をした男性が、そのまま部屋までの案内と部屋の設備の説明をしてくれました。 私たちが宿泊した部屋ですが、扉を開けて中に入りますと、すぐに2.5畳くらいの玄関スペースがあります。その左奥に寝室。部屋はツインとしては、やや広めくらいか。ベッド二つに、小ぶりのテーブルと椅子。そして、これまた小ぶりというか、奥行きのそれほどない机が一つ。20インチくらいのソニー製液晶テレビが一台、木製の台の上にありました。壁の一面が端から端までクローゼットになってまして、これはかなり大きい印象。床に敷いてあるのは、手織りのカーペットらしいです。もちろん、暗証番号入力式のセイフティ・ボックスとミニバーもありました。部屋の内装、調度品などは適度に古さを感じさせるもので、実用上特に問題を感じさせるものはありませんでした。びっくりするほどゴージャスというわけでもなく、落ち着いたヨーロッパ風のホテルの内装という感じでしょうか。 洗面所は、大理石の床と壁。大振りの洗面台が二台ありまして、その手前にバスタブ。独立した、シャワーブースと、トイレが扉を隔ててあります。トイレにはビデも備えてあります。シャワーブースの扉はガラス張りですが、ブース内にはなぜか照明がなくちょっと暗かったです。シャンプー等のアメニティは、L'OCCITANEのものでした。 部屋の鍵はカードキーではなく、重い金属のタグが付いた、金属製の鍵。でもちょっと変わった複雑な形状をしていまして、一つの鍵でどこでも開けられるというわけではなさそう(って当たり前ですが)。 寝室のテーブルには毎日フルーツが用意され(葡萄、無花果、キウィ、桃、林檎などがいくつか、日によって微妙に違った組み合わせで)、ターンダウンの後には、ベッドの上にチョコレートが毎日用意されていました。またミネラルウォーターもベッドサイドに用意されていました。 大阪を出発した時に、大汗をかいたので服をクリーニングに出しました。クリーニング代が結構高額。シャツ、ブラウスが一枚、19ユーロ(2500円くらい)、ズボン、スカートが20ユーロ(2700円くらい)です。 さて、着いた当日は、もう夜でしたから、そのまま寝ました。翌朝、1階にあるレストランで朝食をとりました。私の部屋代には朝食代は含まれていませんでしたので、別料金なのですが、一度は様子を見てみたかったので。レストラン前には、メニューが書かれている掲示板があり、何種類か選択肢があるようです。ちらっと値段などを確認して中に入ります。それほど広くはないレストラン内には、すでに食事をしている人が2組くらいいましたが、いずれもツアー客とおぼしき年配の日本人(添乗員がいたのでわかりました)。私たちは着席しますと、部屋番号を聞かれ、コーヒーやジュースの希望を訊かれました。しかし、しばらく待っても注文は訊かれません。こちらから訊いてみようと思い、ウェイターに声をかけましたが、どうぞご自由におとりくださいと言われてしまったので、まあ、適当にブッフェの料理をとることにしました。おそらく、同じツアー客と間違われたのではないかと思われます。それで、もしかしたら朝食代は請求されないのではないかと思ってしまいましたが、そんなはずもなく、ちゃんと請求書についてました。でも正規の朝食ではなかったような気もしています。ちなみにお値段は、一人約30ユーロ(4000円くらい)でした。 朝食ブッフェの内容は、特別に変わったものではありませんでしたし、種類もどちらかというと少なめ。生ハムや(たぶんスペイン産の)ソーセージが置かれていることを除けば、ごく一般的な内容でした。ただ、ハムやソーセージはさすがに美味しかったし、他の料理も十分に水準以上のものでした。 ホテルの1階ロビーの奥には、広々したスペースがあります。こちらにはテーブルと椅子がいつくも置かれていて、テーブルの上にはメニューが置かれていました。中央には鉢植えが飾られており、天井も高く、豪華な空間です。奥にはバースペースもあるようでした。おそらくここでお茶を飲めるようになっているようでしたが、不思議なことに私が滞在中ここでお茶を飲んでいる人は全く見かけませんでした。そういう私もこちらでお茶は飲まなかったんですが。 ホテル滞在の記念に何か買おうかと思い探しましたが、ホテル内にショップなどは見あたりませんでした。とある情報ではショップがあるらしいのですが、ホテルの人に訊いて、案内されたり品物の要望を訊かれたりしても面倒だと思い、訊かずじまい。リッツの歴史が書かれた本らしきものはホテル内に飾られていましたので、レセプションなどに申し出れば、売ってくれたのかもしれませんが、ギョッとする値段かもしれず、どうせスペイン語、よくて英語で書かれたものでしょうからこちらも遠慮しておきました。 ホテルのロケーションは、マドリッドの繁華街の中心部からはちょっと外れたところ。道をはさんで、隣にプラド美術館、向かいにティッセン・ボルミネッサ美術館があります。よく観光地で見かける二階建てで二階の天井がない観光客用のバス「マドリッド・ヴィジョン」の乗り場もすぐ近くです。一番近くの地下鉄の駅は、おそらく、バンコ・デ・エスパーニャという駅ですが、これはちょっと離れていて徒歩で6、7分くらいか。この距離が微妙で、マドリッドの中心部に行こうとする場合、徒歩で地下鉄の駅に行き、例えば中心部のソルという駅まで行くのと、徒歩でソルまで行くのは、労力的にあまり違わない感じ。でも、歩いてソルまで行くと、ちょっと遠いとも思ってしまう。結局、私たちは、その時の体力の具合で時には歩いてソルに行き、時には地下鉄を利用しました。ホテルの玄関の前そのものは、静かな通りですが、すぐ大きなプラド通りに出ますので寂しい感じはありません。 オテル・リッツ・マドリッドは、確かにサービス全般に渡って一流ホテルのそれで私としては申し分なく、建物も重厚で歴史を感じさせるものでした。内装も、調度品も見かけ倒しではなく、本物だったのだろうと思います。その辺がはっきりわかる人にこそふさわしいホテルなのでしょう。私自身の感想として、これが果たして五つ星を越えるに値するほど群を抜いたものであったのかどうかは率直に言ってわかりませんでした。しかし、このホテルでの滞在が、静かで安心感に満ちた、落ち着いたものであったことは間違いありません。人目を引く派手な建築や過剰なサービスではなく、本当に客が必要なことに対して控えめながら上質なサービスを提供する、大人のためのホテル。そんな印象でした。Tags:ホテル






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