基本紹介編集履歴
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美術鑑賞が終わったら食事です。マドリッド最初の昼食には、まずはパエリアだろうということで、St.Jamesという店に行きました。場所は、ファン・ブラボ通り、地下鉄ヌニェス・デ・バルボア駅の傍。ソフィア王妃芸術センター近くのアトーチャ駅から地下鉄で移動しました。 レストラン、特に高級なレストランは、8月中はバカンスで営業を休む店も多いので、このレストランが開いているか現地に到着するまで不安でした。また予約をしていなかったので、空いているかどうかも不安でした。しかし、実際にはいずれも問題ありませんでした。少なくとも私の行った日(8月10日)は、テーブルには十分な余裕があり、予約無しでも大丈夫でした。また、そこそこの高級店なので、服装も少し気にしていたのですが、これも問題ありませんでした。ただし、これは、男性がジャケットを着ていなければいけないということはなかったという意味です。短パンにビーチサンダルみたいな服装は、実はマドリッドの街中にはたくさんいましたが、このレストランにはあまり似つかわしくないと思いました。 入り口は小さいんですが、中は結構広々していまして、白と青を基調とした店内はとても涼やかな印象。冬もこのままなんでしょうか? 本格的なスペイン料理のレストランは初めてなので、何を注文すべきなのか迷いましたが、スペインに来たからにはスペインらしいものが食べたいという思いもあり、乏しいスペイン料理の知識に基づき、まずガスパチョ、次いでフォアグラ、最後にシーフード・パエリアを注文しました。本当は、ガスパチョとパエリアだけでもよかったのですが、何となく寂しいかなと思ってフォアグラを注文してしまったのです。別にこれはスペイン料理というわけではありませんが。ちなみにフロアマネージャーみたいな男性には、ある程度英語が通じましたが、他の店員には全く通じませんでした。メニューは英語のメニューがありました。 料理を待つ間、付きだしとしてオリーブの実とクラッカーみたいなのがでました。このオリーブ、結構大振りで味も日本で食べたことのあるものとは若干異なる感じ。 飲み物は、サングリアを頼みました。サングリアは夏場スペインでよく飲まれるものらしいのですが、赤ワインに果物を投入し、さらに氷を入れたものです。甘みもあったので、砂糖か蜂蜜かが入っているものと思われます。私は、あまりお酒は強くないのですが、サングリアはそんな私でもまるでジュースのように飲めました。爽やかだし、美味しいし、スペイン人もよく飲んでいるようなので気兼ねなく注文できます。フランス料理店で、飲み物にグレープジュースなんか頼んだら、変な顔をされるでしょうが、スペインのスペイン料理の店で食事時にサングリアを頼んでも全く問題ないし、普通に品揃えしている。それが嬉しかったですね。 最初の料理は、ガスパチョです。夏のシーズンだけ飲まれる、このガスパチョというスープ。名前は知っていましたが、実は初体験です。一口飲んでびっくり。これは美味しい。ちょっと調べてみますと、トマト、キュウリ、タマネギ、パプリカ、ニンニク、オリーブオイル等を使用するようです。火を使っていないから、野菜ミックスジュースみたいなものかもしれませんが、しかし普通の野菜ジュースよりずっとスープらしい味。ガスパチョには、野菜を細かく刻んだものを好みで浮かべて食べるもののようで、タマネギや唐辛子、パプリカの刻んだものを持ってきてくれました。量も適当で、幸先のいいスタート。 二皿目は、フォアグラです。ちょっとフォアグラの馬鹿でかさに驚きましたが、二人で取り分けて食べましたので、まあ大丈夫。上等なフォアグラと見ました。皿には、甘く煮たタマネギと果物、バルサミコ酢、マンゴーのソース、ベリー、ホオズキなどが載ってまして、いろいろと合わせながら愉しみます。また、フォアグラをつけて食べられるように、カリッと焼いたパンも出ました。なかなかキチッとしています。 そして、最後にパエリア登場。まずは、パエリア用の浅く大きな鍋に入った状態で見せてくれて、その後、ウェイトレスが一人前ずつ皿に取り分けてくれます。そして、一人ずつの目の前にサーブされましたが、ガーン。聞いてはいましたが、量、多すぎです。写真で見るとそれほどでもない感じがしますが、実際には見るからに食べきるのが困難そうな量。これは、決して4、5人前のパエリアを二人で分けた量ではなくて、二人前を注文して一人分に取り分けてもらった、正にスペインサイズの一人前の量です。 とりあえず食べてみます。米はちょっと堅め、味は結構濃いめです。私は、日本でこれまでに、たぶん1、2回しかパエリアを食べたことがないのですが、それを基にした予想とはちょっと違う味。美味しいんですが、それと同時に、ちょっと変わっているというか、なじみのない味もします。これがスペイン風なのか? 誤解のないように付け加えますが、不味いんじゃないんですよ。ガスパチョやフォアグラは、比較的なじみのある味でしたが、このパエリアは私にとって新しい味の体験だった面もあるということです。 それから米の色が結構茶色いんですが、何を調味料に使っているんでしょうか? サフランを使った黄色いのを想像していたので、これもちょっと予想とは違いました。 それにしても、濃い味と米の量の多さで中盤からはかなりきつくなってまいります。レモンを搾って米の中に埋もれている貝にかけ、濃い味をやや希釈しながら食べ進めましたが、最後に一口、二口は残してしまいました。フォアグラは頼まなければよかったです。でも、結構健闘したんじゃないでしょうか? さて、これで止めておけばいいんですが、デザートを勧められるとつい頼んでしまいます。重いのは無理なので、軽そうなパッションフルーツのソルベとコーヒーを頼みました。ソルベは、普通のラグビーボールのような形状のものが皿に載ってくるのを想像していたのですが、これまた予想に反しまして、グラスの中に飲み物のような感じで出てきました。でも、味は予想通りでした。酸味と甘みがあって、すっきり美味しいです。 ちなみに、支払いは二人で約150ユーロ(20,000円くらい)。昼としては、ちょっと贅沢でしたね。 こちらの店のカードには「Arroceria」とありました。「Arroz」は米という意味なので、米料理の専門店といった感じでしょうか(あくまで推測です)。実際、メニューには、何種類ものパエリアや、「パエリア」という名前ではない米料理が多数掲載されていました。St.Jamesは、料理もサービスも高級店のそれでしたが、決してかしこまりすぎていないサービスで、リラックスして食事のできる、とても雰囲気のいいお店でした。 この日は、昼ご飯でお腹がはち切れそうになってしまいましたので、レストランで夕食をとるのは断念。この後、街の中心部をしばし散策してエネルギーの消費を促し、プエルタ・デル・ソル付近のデパート、エル・コルテ・イングレスでパンと飲み物を買って、それをホテルの部屋に持ち帰って食べることで夕食としました。Tags:レストラン