ゴイセコ・カビ

ゴイセコ・カビ

Goizeko Kabi

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21016bhさんのMyノート

2010-11-01 17:55 編集

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ゴイセコ・カビゴイセコ・カビは高級レストランということで、服装もそれなりにして、レストランへはホテルからタクシーで向かいました。予約時刻は9時。8時半前にホテルを出ましたが、9時前には到着。ちょっと早過ぎる気がしたので、レストラン前に掲示されている(スペイン語の)メニューを見ながら時間を稼ぎ、9時に入店。しかし、扉を開けるとすぐ傍で天井の電球を替えているのか、脚立に乗っている人がいたりして、気の抜けた雰囲気。営業時間ではあったのですが、夜9時は普通のスペイン人にはまだ晩ご飯には早いので、誰も他にお客さんがいなかったのです。それでそんな感じだったんですね。名前を告げたところ、すぐに案内してくれました。

 奥の方のテーブルにつきます。白い壁に焦げ茶色の木を生かした独特な暖かみのある内装。高級感はありますが、ゴージャスで華やかな感じではなく、どちらかというと地味。真っ白な布カバーを掛けた椅子もユニークです。静かで落ち着いた雰囲気なのは、まだ他にお客さんがいなかったということもありますが、それだけではない、この店そのものが持つ雰囲気のように思われました。
 ウェイターが英語のメニューもあると言うので英語のメニューを見せてもらいます。じっくり考えて注文する料理を決め、ウェイターを呼びます。まず最初の料理の名前を言うと、ウェイター氏、ちょっと慌てたように「厨房に確認してきます」と言っ(たような気がし)て奥に一旦引っ込み、再び出てきて「その料理は今日は御用意できません。最新のメニューはスペイン語になりますが」と言いつつスペイン語のメニューを持って来ました。ちょっと、ちょっと。それなら始めからスペイン語のメニューを持ってきなさいよ。英語のメニューはあるけど更新されてないってことですよ。まあ、なんとなく、メニューを見ながらそんな気がしていたんですけどね。というのも、このレストランはホームページにメニューを公開してまして、実は日本を発つ前にそれをダウンロードして、自動翻訳や手持ちの辞書を駆使して分かる範囲で日本語に訳していたのです。その内容と英語のメニューの内容に違う部分があるので、ちょっととまどっていたのです。ただ、その日の私の失敗は、翻訳してプリントアウトまでしたメニューの写しをホテルに忘れてきてしまったということです。それでも予習の成果で、ある程度は内容を憶えていたので、その記憶を辿りながら、再度メニューの解読をして料理を選びました。
 こちらのレストランのメニューは、私がこれまでに見たことのある例えばフレンチレストランのメニューなんかとはひと味違った感じで、何をどう選択したものか今一つ分かりにくい。私にとっては、メニューは、1.前菜、2.魚料理、3.肉料理、4.デザートといった4ブロックか、プラスアルファぐらいに分かれているのが馴染みがあるのですが、こちらのレストランのメニューでは、以下のような内容(だと思いますが、訳語には全然自信はありません)1.スターター(生ハムとかフォアグラとか)、2.海鮮(貝や甲殻類)、3.サラダとフライ、4.温かい料理(?、リゾットなどもあるようですが)、5.干し鱈の料理、6.魚料理、7.肉料理、8.デザート。妙に区分けが多い。どこから、どういう組み合わせで選ぶべきなのでしょう? それに料理のタイトルも妙に素っ気なかったりします。例えば、6.魚料理の最初に掲載されている料理名は"Bonito con tomate"。これ多分「カツオ、トマトを添えて」といった感じだと思うんですが、何ですか?この料理。まあ、私も経験豊かなわけではないんで、こういうタイプのメニュー構成は他にも結構あるのかもしれませんが、ちょっと難しかったです。
 結局選んだのは、自分的にオーソドックスな選択になってしまいましたが、まず生ハム、次にロブスターのサラダ、そして牛肉のステーキ(?)。その後にデザートとしてアイスクリームとコーヒーを、これは食後に選びました。それから、ワインは全く分からないのですが、リオハの白を頼んでみました。
 ここで、少食の日本人に朗報です。このレストランの英語版メニューにはっきりと書かれていたんですが、このレストランでは大部分の料理をハーフポーションで提供できるそうです。だから、スペインのレストランの量に苦労していた方もここなら、いろいろ食べることができますよ。

 最初、付きだしにコロッケ様のものと、フライドポテト(!)がでてきました。高級レストランって聞いていたし、実際そうだと思うんですけど、そこでフライドポテトっていうのは変わってますね。付きだしとはいえ、もっと趣向を凝らしたものがでてくるものと思ってました。
 さて、注文の品、一品目は生ハムです。この旅行で、もう何度も食べてますが、やはりこれは外せません。見るからにプロフェッショナルな切り方で登場したお皿は、テーブルの上に直にではなく、金属製の足の上に一段高く置かれました。複数人で食べる時に取りやすいようにということでしょうか。ハムの表面はうっすらと脂が溶けたように汗をかいています。トレドのガイドさんによれば、これこそが本物だそうです。つまり、高級な生ハムの場合、脂が常温でほんのり溶け出すものらしいです。これを口に入れると、速やかに豚の脂が溶けて、独特の甘みが口の中に広がる。だから、切ってだされたハムの表面の脂がほんのり溶け出ているようでないと安物らしいです。そんな最高の生ハムをしっかり噛み締めながら味わいました。これが、この旅行最後の生ハムでした。
 二皿目は、ロブスターのサラダ。ハーフポーションです。サラダといっても野菜やたぶん果物をみじん切りにして整形したものの上に、ロブスターの身が載ったもの。これに生野菜が添えられています。「珊瑚」という単語の入ったソースみたいだったのですが、どこが珊瑚かはよくわかりませんでした。みじん切りの野菜の取り合わせが変わっているのか、ちょっと面白い味ではありました。
 次は、メイン。"Lomo de buey justo asado"去勢牛のステーキ(?)。これもハーフポーションです。レアでお願いしましたら、本当にレアででてきました。ほとんど生肉です。ちょっと調べたんですが、成牛の肉は雌のは肉質がいいが、雄のは硬くなるので、種付け用以外は去勢されてしまうらしいですね。そうすると、肉質が良くなるらしい。自分が食べる肉の性別を気にしたことはなかったんですが、これは雄ということです。そんなことを調べていたら、そういえばボーイソプラノの声域を維持するために去勢されるカストラートと呼ばれる歌手がいたのを想い出しました。去勢牛のステーキ。カストラートの味ですね。さすがレアだけあって、かなり生々しい感じ。それに申し訳程度に野菜の付け合わせ。
 ハーフポーション作戦が功を奏し、お腹には余裕がありましたので、デザートも頼むことにしました。「デザートメニューはスペイン語のしか無い」と言われました。料理メニューも実質的にはスペイン語のしか無かったような気がするんですが、まあいいでしょう。お腹に余裕があるといっても、やはり固形物は多そうな気がしたので、またもや速やかに融解するアイスクリームにしてしまいましたが、これまたボティンでの反省が生かせず。結構、多かったのです。デザートにもハーフポーションがあったかどうかは不明です。私の前に出てきたのはフルポーションのデザートです。
 デザートの前に食後酒のサービスがありました。シェリー酒です。20年ものらしい。私は、お酒は強くないので、こういうサービスは、気持ちはありがたいが、ちょっと辛いです。でもせっかくですから飲んでみました。とっても濃厚、かつまろやか、かつアルコールがきつい。初めてのシェリー酒でした。たぶん自分で購入して飲むことはないでしょうが、いい経験になりました。せっかくなのに残しては悪いかと思いましたが、アルコールがきつくてグラス半分くらい残してしまいました。
 お会計は二人でおよそ145ユーロ(20000円くらい)。もちろんワインや税金込みの値段です。ハーフポーションの料理は、値段もきっかり半分になっていました。高級店と聞いていたのですが、思いの外安かったです。
ゴイセコ・カビは、私が今まで行ったことがあるどのレストランとも違うユニークなレストランでした。私が頼んだ料理は、どちらかというと素材勝負みたいなものだったので、素材なりの美味しさだったとは思いますが、それを越えるものがあったかどうかは私には正直よくわかりませんでした。しかし、メニューには他では見たことがないような興味をそそるものがいろいろありまして、是非また来てみたいと思いました。サービスは、英語のメニューの件などちょっと間の抜けた感じもしましたが、基本的には高級店のそれだと思いました。どちらかというと控えめな感じ。それから、後から入店してきたスペイン人を観察したところでは、服装についてはそれほど気にする必要はなさそうでした。短パン、Tシャツ、サンダルではさすがにまずいでしょうが、シャツにチノパンだけの男性(ジャケットを着ていない)とか、半袖シャツの男性とかいましたし。それにしても、スペイン人って年配の人でも本当にたくさん食べますね。
 

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