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分断の現実を肌で感じる烏頭山統一展望台
「烏頭山統一展望台」は海抜118mに位置している高地で、三国時代に高句麗と百濟が主導権をにぎるため激しい戦闘が繰り広げられた場所であり、歴史的にも軍事的にも要衝の地である。
いまは西部戦線の最北端で南側と北側が壬辰江を真ん中に置き、 3.2kmのみじかい距離を鳥たちが行き来するだけ、半世紀のあいだにどんな交流もなかった南北分断のかなしい現場である。
「烏頭山統一展望台」は800万の故郷を失った人の念願で1992年9月8日に開館され2006年末、現在1,420余万名の内外国人の訪問客が訪れて分断の実状を体験した。
「烏頭山統一展望台」は世界で唯一に残っている冷戦の遺産である南北分断の悲劇的な現実を理解し、自由をもとにする平和と繁栄された統一を実現させるため我々の願いと意志をこめて設立された。
6・25戦争という同族の悲劇を体験してない世代はここに展示されている豊かな歴史的な資料を目にすることができる貴重な場所だ。
ソウル市内から1時間も掛からずオドゥ山統一展望台に到着です。駐車場に車を停めて、そこから送迎用のバスに乗り換えます。
中に入るとまず展望台に向かいました。土曜日でしたが、とても寒い日だったからでしょうか?殆ど人がいませんでした。北朝鮮に向かって沢山の望遠鏡が並んでいます。
川の向こう、3.2km先が北朝鮮。漢江(ハンガン)と合流するこの目の前の川があの臨津江(イムジンガン=イムジン川)です。当日は寒かっただけに空気が澄んでいて、対岸の様子がとても良く見えました。LEEさんも「何度も来ていますが、こんなに良く見えたのは初めてです。」とおっしゃっていました。望遠鏡を覗くと向こう岸には団地のような建物や、大きな農家らしい建物、西洋風の住宅などが建っています。
LEEさんの話では北朝鮮の宣伝村であり、韓国から良く見えるこの場所に近代的な町作りを行っているのだそうです。しかし立派な建物の割りに周囲は舗装もされていない土の道で、そのアンバランスさは否めません。冬枯れの田んぼの畦道を4~5人の(おそらくは)子供たちが抜きつ抜かれつ競走のように駆けて行くのが見えました。