基本紹介編集履歴
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朝鮮時代の姿そのまま!600年の歴史と文化が守られている伝統民俗村
- 豊山柳氏が600年あまり代々暮らしてきた韓国の代表的同姓村
- 2010年ユネスコに韓国で10番目の世界文化遺産として登載
- 朝鮮時代の建築方式や民俗文化がそのまま残る「生きた歴史教科書」
安東市外バスターミナルから46番のバスに乗って揺られること30分、山河と田園、藁ぶきや瓦屋根の伝統韓屋が点在するのどかな田園風景が広がります。
ここは「河回村」と言って、豊山柳氏が600年あまり代々暮らしてきた韓国の代表的同姓村です。
河回村は文禄の役の際、領議政(現在の首相)として国難の克服のために活躍した柳成龍とその兄、柳雲龍など数多くの高官を生み出した両班村で、建築物はもちろん、仮面劇や韓国伝統花火などの民俗文化がそのまま残っており、安東の歴史と伝統文化を学ぶのにふさわしい場所です。
村では多くの伝統家屋が民泊として開放しているため、お宅に一泊して一日を過ごすのもお勧めです。
日常からの逸脱とともに、夜にはロマンチックな満点の星空も眺められます。
河回村の名前の由来
安東河回村は、洛東川がS字に大きく蛇行し村の3方を取り巻いていることから、「河が回って流れる村=河回村(ハフェマウル)」呼ばれています。村の一角にある厳かな岩の絶壁「芙蓉台」から洛東川に囲まれた神秘的な河回村の全貌を一望できます。
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河回村の入口から陸地を迂回して芙蓉台の頂上まで行く方法以外に、渡し船を利用して芙蓉台側に渡る事が可能です。料金は3,000ウォン。
※川の水位が高い場合は船が運営していないこともあります。
河回村はなぜ有名?
河回村の一角には俳優のリュ・シウォン氏の実家があることで有名です。
村の一番奥まったところにある瓦屋根の家が柳時元の実家で、中に入ることは出来ませんが、門の柱に「柳時元」と書かれた表札を見ることが出来ます。
1999年英国エリザベス女王をはじめ米国ブッシュ大統領父子が訪れたことでも注目を浴びました。
2010年にはユネスコ世界遺産にも登録され、名実ともに韓国を代表する観光名所となりました。
河回村の中を散策しよう
河回村の入口前でチケットを購入後、シャトルバスに乗って村の中に入ります。
右側には総合観光案内所があり、左側にはのどかな田園風景が広がります。背後の山、広大な田園とあぜ道、藁ぶきの家を見ていると、都会からの開放感を感じ心が安らぎます。
総合案内所の側の並木道を進むと、左には洛東川の流れと芙蓉台、万松林があり、自然の織りなす美しい風景を眺められます。並木道に植えられた木は全て桜の木で、春はお花見、秋は紅葉と、四季の風景を楽しめます。
河回村の洛東江沿いに広がる万松亭
ちょうど芙蓉台の向かいにある松林は、儒学者の柳雲龍が作ったものとされ、風水地理的に西側の志気が弱く、これを補完するために作られたと言います。立派に伸びた松の風景と香りが良く、心が洗われるような気持になります。
忠孝堂・永幕閣
忠孝堂は柳成龍の宗宅として建てられたもので、「忠孝堂」という堂号は、柳成龍が日頃から子孫に「国に忠誠を尽くし、両親に孝行しなさい」と忠と孝を強調していたところに由来しています。忠孝堂は保存状態が大変良く、朝鮮時代の民家建築様式を見ることが出来ます。
忠孝堂の隣にある「永慕閣」は、柳成龍の遺品を展示・保管するために建てられた建物です。
永慕閣では、柳成龍の生涯の歴史、古文書や遺品を見ることが出来ます。
柳成龍の書斎、楼閣からの眺めが見事な遠志精舎
遠志精舎は、柳成龍が書斎として使用する目的で1576年に建てられました。
遠志は、遠志山から採れる薬草を指し、心をやすらげ精神を清らかにする効能があり、柳成龍がよく食べていたものだったと言います。
楼閣は現在上がることができませんが、ここから芙蓉台と洛東川、河回村の藁ぶきの家が調和した美しい風景が観賞できます。
養真堂・樹齢600年の御神木
1600年代に建てられたと推測される、柳雲龍の宗宅です。朝鮮時代の別堂建築物の一つで、一般の住宅よりも大きな作りになっています。位牌を奉る祠堂には、父・柳仲郢と柳雲龍が不遷位として奉られています。養真堂の裏であり河回村の中心地には、「三神堂の御神木」という、樹齢600年を超える欅の木があり必見です。
河回村の名物、河回別神グッ仮面舞を観よう!
サムルノリの音とリズムをBGMに展開される仮面劇「河回別神グッ仮面舞」は、河回村のもうひとつの名物です。河回別神グッ仮面舞は、村の豊饒と厄ばらいを願って河回村で毎年行われていた祭祀を再生したもので、国内の仮面の中で唯一国宝に指定されている河回仮面を付けて行われます。
劇中には登場人物に合わせて色々な仮面が出てきますが、仮面の表情や所作、セリフ回しなどが個性豊かで魅力的です。劇の時代設定は朝鮮時代ですが、ユーモアと風刺がちりばめられており、時代も国境も超えて万人が共感できる内容になっています。
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仮面劇公演時間
下記のスケジュールで14時~15時まで、総合案内所の向かい、河回村公演場にて開催。
1月~2月:土、日
3月~12月:水、金、土、日
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河回村別神グッ仮面舞
優れた建築美を誇る朝鮮時代の学舎、屏山書院
河回村からバスで15分ほど行ったところ、洛東川沿いにもう一つの名所、屏山書院があります。
ここは、儒学者でありながら領議政を務めた柳成龍が弟子たちに教えを諭した場所です。柳成龍の没後、弟子たちによって位牌を祭る祀堂が建てられ、講学堂と東・西齋、位牌を祭る尊徳祠を持つ現在の姿になりました。
屏山書院の正門と講堂の間にある「晩対楼(マンデル)」から洛東川側を眺めると、視界を遮るもの無く、屏山と洛東川の美しい眺めを見ることが出来ます。残念ながら、現在は登れませんが、建築物そのものが美しく貴重ので時間さえあれば是非見ておきたいスポットです。
→屏山書院について詳しくはこちら
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屏山書院は河回村から出ている46番のバスで行けます。
停留所:河回村入口・総合案内所向かい
河回村発→屏山書院着 バス時刻
8:40 / 11:40 / 15:10
屏山書院発→河回村着 バス時刻
9:10 / 12:10 / 15:40
※バスでの移動は15分程度所要
他にも見逃せない河回村の見どころ
河回村の入口にある一本道は、左右に蓮池と田園が広がり、美しい景色を眺められます。
河回村の道は低めの土塀が左右に続き、まるで時代映画の中に入り込んだような気分を味わえます。
リュ・シウォンの実家(澹然齊)の土塀には、郵便ポストのような穴があります。中には、貧しい人たちへの施しに穀物などを置いていたとのことで、一遍に取り出せないように小さな造りになっています。
河回村の片隅には、大きなブランコとノルティギ(端でジャンプして遊ぶシーソーのようなもの)、シルムパン(土俵)があり、伝統的な民俗遊戯を体験できます。
チケット売り場、物品保管所、観光案内所など
河回村のバス停で降りてすぐ右手に「チケット売り場」があります。
こちらでチケットを購入し、シャトルバスで河回村の中に入ります。
入場料金は、大人3,000ウォン、中高生 1,500ウォン、小学生 1,000ウォンとなります。小学生未満の児童は無料です。
チケット売り場のすぐ隣に物品保管所があります。
中にはロッカーがあり、無料で保管が可能です。使用方法は簡単で、空いている箱に荷物を入れドアを閉じ、ドアに付いた暗号キーの「*」を押した後に数字4ケタを押し、最後に「*」を押すと、音がしてロックが掛かります。ロック解除時も同じように暗号を押せば解除できます。
チケット検問所の横には観光案内所があり、無料で河回村の地図付きパンフレットや安東の観光案内を貰えます。
チケットの検問後、無料シャトルバスに乗車し5分で河回村に到着します。徒歩で行く場合は15分程度所要する距離です。シャトルバスは10分~15分間隔で河回村の入口と検問所を往復しています。
河回村の総合案内所では、親切な観光案内を受けることが出来ます。日本語の音声ガイドも無料で配布しているので、必要でしたらこちらで受け取りましょう。
河回周辺施設
河回村手前のバス停とチケット売り場の間には「河回ジャント」と言う食堂や記念品売り場が集まった小さな市場があります。河回村の中では商店が制限されているため、河回村の外側にお店が集まったようです。こちらで、安東名物の塩サバ定食、チムタク(蒸し鶏)などが食べられます。
河回世界仮面博物館も河回村入口のバス停留所隣にあります。時間があればこちらも是非立ち寄ってみましょう。
運営時間:9:30~18:00
休館日:旧正月期間、秋夕(旧盆)期間
入場料:大人 2,000ウォン 小中高 1,500ウォン 小学生未満無料