基本紹介編集履歴
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マレーシアのインド系の人口は約9%である。マレー半島部は島嶼部(カリマンタン島)に比べて,マレー系の人口の割合が減り(それでも50%はマレー系),その分,華人系やインド系の人口の割合が多いので,クアラルンプールではインド系は十数%いるかもしれない。チャイナタウンでもサリー姿の女性を見るほどだから,インド人街はさぞかしすごいだろうと思ったら,そうでもなかった。 リトル・インディア(インド人街)と呼ばれる地域はチャイナタウンの北部に位置する。チャイナタウンから歩くと北に10分ほどだが,鉄道で南側から入るにはLRTのスター線・プトラ線マスジットジャメ駅を降りてクラン川沿いを北に向かう。「メラヤ通り」を2~3分歩くとすぐに「マスジッドインディア通り」に入る。大きな屋根があるのですぐにわかる。ここから北に数百メートルがリトル・インディアと呼ばれる一画だ。はじめの100mほどはアーケードに覆われた,バザールっぽい通りで,歩行者天国になっている。雨と直射日光を防ぐドーム状の屋根が付いていて,両側に100軒ほどの露店が並ぶ。インドの音楽CDやVCDなどは日本でもなかなか手に入らないのでたいへん興味を惹く。このアーケードを潜り抜けると,左側にインディアン・モスクがある。ここは,ムスリムのインド系マレーシア人が多数礼拝に訪れるモスクである。つまり,もともとインド人はヒンズー教徒が圧倒的に多かったのだが,マレーシアではイスラム教が国教になるほど中心的な宗教なので,インド系の人がイスラム教に改宗したのだ。インド系の半数ぐらいはイスラム教徒らしい。とにかく民族や宗教がいろいろと交差した国だ。民族と宗教および文化の基礎知識がなければ,おそらくマレーシアは理解できないだろう。↓リトル・インディアの南の玄関,LRTマスジットジャメ駅前↓「バザール」でござーる↓バザールの様子…インド系,マレーシア系,華人系などさまざまな人種が存在する↓インド系とイスラム系の融合,インディアン・モスク ここの街並みは主に商店が多く,生地屋(インドシルクなど),銀細工,花屋,雑貨店(ビーズ刺繍など),仕立て屋,両替商,などいかにもインドらしい店が多い。中華街とは明らかに様子・雰囲気が異なる。この「マスジッドインディア通り」の一本西側の「ロロントゥンクアブドゥルラーマン通り」にも,生地屋がたくさん並んでいるが,どちらかというとマレー系の店である。こちらは夜になると露店が並んで夜市が開かれるそうだ。インド人街では,たしかに女性でサリーを着た人は少なくない。男性はいわゆる濃い顔の人が多く,ひげを生やし,眉が濃く太い。稀にターバンを巻いた人もいるが,シーク教徒の人がターバンを巻くのであって,ヒンズー教徒は巻かないということだ。民族・文化が複雑に交差するマレーシアだ。だから,インド系,マレー系の街を区別するのは難しい。さらに中華系が入ってくるので尚更話が複雑になる。