ナポリを見て死ね

ナポリ

 ナポリ旅行の計画をイタリアに住んでいたことがある友人に話したところ、「ナポリはイタリアの他の街とは違って危ないところがあるので、くれぐれも気をつけるように。」とのアドバイスをいただきました。「ナポレターノ」とは、信用できないとか、まがい物という意味があるそうです。しかし、「ナポリを見て死ね」(ナポリの風光を見ずに死んでしまっては、生きていた甲斐がないという意味)という名言もあるくらいの美しい街であるとも聞きます。
 泊まったホテルが中心街から少し外れた場所にあったのせいか、周辺にはごみが散乱していました。ナポリは2007年末から深刻なごみ処理問題を抱えていました。ごみ集積場の処理能力が限界に達したことが原因でした。これまでは非合法にマフィアがごみの回収を行ってきましが、マフィアと地元当局との関係が悪化したことも、この問題に拍車をかける結果となりました。さすがに観光地にはごみの跡はありませんでした。ナポリ大聖堂やサンタルチア湾周辺は美しい場所で、気持ちよく観光することができました。
 悲しいかな、100mlの液体機内持ち込みルールのおかげで、帰りの空港でモッツァレラチーズを没収されてしまいました。モッツァレラには規定以上の液体が含まれています。この規則は、化学薬品などを機内に持ち込んで、爆弾などの危険物を作らせないようにするためのものです。
 没収されたモッツァレラはスパッカ・ナポリのデリで買いました。そのデリでは、おじさんとおばさんが客引きをしながら観光客をどんどん店に誘い入れるようなお店でした。「モッツァレラをください。」と私が言うと、おじさんが「7ユーロです。」と言うので、私はなんの疑いもなしに7ユーロを支払うと、地元民と思われる客がおじさんに向かって「えっ、なんでそんなに高いの。」というようなことを言っていました。イタリア語なので私の想像ですが、値段の相場を知らなかった私は黙ってお金を払いました。帰りの空港の免税店で売られていたモッツァレラは2つ入って9ユーロでした。やはりボられたようでした。
 モッツァレラチーズといえば、ナポリ名物ピッツァマルゲリータです。ピッツァマルゲリータは、ナポリ発祥のトマトとモッツァレッラ、バジルで作られたシンプルなピザです。緑のバジル、白のモッツァレッラ、トマトソースの赤がイタリア国旗を表しているようで、大そうお気に召したマルゲリータ王妃が自身の名をピザに冠したであるとか、マルゲリータ王妃に捧げるために職人がイタリア国旗を模してこのピザを作ったなどの逸話が残されています。

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記事最終修正日時: 
2013.03.07 07:58
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