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日本で上映される今月の韓国映画

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歴史大作から話題作まで、賑やかなラインナップの「今月の韓国映画」

清が李氏朝鮮に侵入し制圧した「丙子の役」を描いた『天命の城』は、イ・ビョンホンとキム・ユンソクが熱い演技対決を繰り広げている。

『V.I.P. 修羅の獣たち』は予測不能のストーリー展開になっているし、『夜の浜辺でひとり』は監督と主演女優の不倫報道が注目された。

今月日本で公開される韓国映画はどれもいろいろな意味で目が離せない。

『天命の城』

ⓒ 2017 CJ E&M CORPORATION and SIREN PICTURESALL RIGHTS RESERVED

 

映画あらすじ

1636年12月―。清が朝鮮に侵入した「丙子の役」が勃発。これにより王の仁祖(パク・ヘイル)と朝廷は南漢山城に隠れるが、清の大軍に完全包囲されて孤立状態に陥る。

厳しい寒さと飢え、敵からの圧迫と無理な要求。こうした状況下で、朝鮮の未来を見据えた大臣たちの意見は激しく対立した。吏曹大臣のチェ・ミョンギル(イ・ビョンホン)は清との和睦交渉を図るべきと考える。それに対し、礼曹大臣のキム・サンホン(キム・ユンソク)は清と最後まで戦うことを提案。ふたりの意見の対立に挟まれ、苦悩する仁祖。

ミョンギルは対話の道を開くため単独で敵陣に赴くが、城に戻れば大臣たちから批判されるのだった。抗戦か降伏か。仁祖の決断は―?

 

公式サイト http://tenmeinoshiro.com/

 

ソウル郊外にある観光スポット

クーデターで光海君を廃して王になった仁祖だが、「丙子の役」はザックリいうと、外交を甘く見た仁祖の失政が招いた屈辱の歴史。

舞台となる『南漢山城』はユネスコ世界遺産にも登録された歴史的建造物。『ロッテワールド』のある蚕室からは東南方向に24kmほど。ソウル中心地から近く、観光スポットとしても人気がある。

写真説明

『天命の城』
(原題:『南漢山城』 2017年/韓国/139分)
2018年6月22日(金)より
TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

弱り目に祟り目の仁祖

『V.I.P. 修羅の獣たち』

(C) 2017 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

 

映画あらすじ

韓国で起きた連続殺人事件で、有力な容疑者として浮上したキム・グァンイル(イ・ジョンソク)。彼は、韓国国家情報院と米CIAの企てにより北朝鮮から亡命させられたエリート高官の息子だった。

警視のチェ・イド(キム・ミョンミン)はグァンイルが犯人であることを本能的に確信。だが彼を保護する国家情報院の要員パク・ジェヒョク(チャン・ドンゴン)が事件の隠蔽を図り、捜査を妨害。グァンイルは悠々と捜査網をくぐり抜けていく。さらに北朝鮮の保安省所属の工作員リ・デボム(パク・ヒスン)が現れ、捜査に介入。

グァンイルを捕らえようとする警察と隠蔽しようとする国家情報院が対立する中、やがて事態は思いもよらない方向へと進んでいく―。

 

公式サイト http://klockworx-asia.com/vip/

 

それぞれの視点で描かれる思惑と葛藤

北朝鮮からやってきた“VIP”のことを“企画亡命者”と呼ぶらしい。日本人には耳慣れない言葉だが、冷戦時代はそうしたVIPが少なくなかったという。本作は北朝鮮の政治情勢という要素も加わり、予想外の展開に。

一体、冒頭のシーンにどうつながっていくのか。面白い構成になっていて、いやでも引き込まれていく。

写真説明

『V.I.P. 修羅の獣たち』
(2017年/韓国/128分)
2018年6月16日(土)より
シネマート新宿ほか全国順次ロードショー

思い通りにならず、イラつく男たち

『夜の浜辺にひとり』

© 2017 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

 

映画あらすじ

女優ヨンヒ(キム・ミニ)は既婚男性との不倫に疲れ、ドイツのハンブルクへと旅に出る。韓国から会いにくると言っていた恋人の言葉に期待しつつも半信半疑だ。

時は流れ、帰国したヨンヒは東海岸の都市を訪れる。先輩のジュニ(ソン・ソンミ)やチョンウ(クォン・ヘヒョ)、ミョンス(チョン・ジェヨン)と飲みに行くヨンヒ。焼酎とマッコリを手にとめどない会話が続く。

そこで女優復帰を考え始めたヨンヒはひとりホテル近くの浜辺を訪れ、砂浜に横たわる。すると知り合いの映画スタッフに声をかけられた。

彼らはヨンヒが付き合っていた映画監督(ムン・ソングン)の次回作のために訪れているという。監督もこの地に来ていると知ったヨンヒは―。

 

公式サイト http://crest-inter.co.jp/yorunohamabe/

 

ドキュメンタリーとフィクションの狭間で想像ばかりが膨らむ

良くも悪くも、本作は韓国での公開前に、ホン・サンス監督と主演女優キム・ミニの不倫が大きく報じられた。キム・ミニはベルリン国際映画祭で主演女優賞を獲得するが、その一方で監督は泥沼の離婚劇を繰り広げる。そんなわけでどこか自虐的なセリフも…。

フィクションなのに監督と女優の自伝的ストーリーのようで少しややこしい。

写真説明

『夜の浜辺でひとり』
(2017年/韓国/101分)
2018年6月16日(土)より
ヒューマントラストシネマ有楽町、
ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

恋多き女優キム・ミニ

text:児玉愛子

しばらくお待ちください


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