あの大ヒット作がついに日本上陸! 今月の韓国映画
韓国で1200万人もの観客を動員し、昨年最大のヒット作となった『タクシー運転手~約束は海を越えて~』がついに日本でも公開。韓国で酷評された『リアル』や、ジワジワと観客動員数を増やしていった『犯罪都市』にも注目したい。
『タクシー運転手~約束は海を越えて~』
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映画あらすじ
ソウルのタクシー運転手マンソプ(ソン・ガンホ)は「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、英語も分からないままドイツ人記者ピーター(トーマス・クレッチマン)を乗せて光州を目指す。なんとしてもタクシー代金を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を突破。時間ギリギリで光州入りに成功する。
ところが物々しい雰囲気の光州に危険を感じたマンソプは「ソウルに戻ろう」とピーターを告げる。
一方のピーターはマンソプの言葉に耳を貸さず、大学生のジェシク(リュ・ジュンヨル)とファン運転手(ユ・ヘジン)の助けを借り、取材を開始。デモの様子を撮影するが、状況は徐々に悪化し、焦ったマンソプは―。
公式サイト http://klockworx-asia.com/taxi-driver/
昨年の光州事件式典では文在寅大統領が「事件の真相究明」を約束
1980年5月の光州、20万人に達した市民による反政府デモに軍事政権が銃弾を浴びせ、多数の死傷者が出た。この様子を現地入りしたドイツ人記者が撮影。こうして光州事件は世界中に拡散され、全貌が明らかになっていく。
何の因果か、本作は撮影開始後に朴槿惠政権が崩壊し、文在寅大統領の就任後に韓国で公開されることに。
『タクシー運転手~約束は海を越えて~』
(2017年/韓国/137分)
2018年4月21日(土)より
シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
実在した記者とタクシー運転手は再会を果たせたのだろうか?
『リアル』
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映画あらすじ
チャン・テヨン(キム・スヒョン)は新しくオープンするカジノ“シエスタ”のオーナー。野心的な彼は担当医師から「解離性障害」の疑いがあると告げられる。また、犯罪組織のリーダー(ソン・ドンイル)からは「利益の半分をよこせ」と言いがかりをつけられる。
チャンに救いの手を差しのべてきたのは仮面をつけた男だった。ルポライターというその男は投資家でもあり、自分もチャン・テヨンだと名乗る。カジノに投資してチャンを助けてくれることになったが、それ以来、チャンの行く先々で“仮面の男”が現れるようになる。
やがて仮面の男は、チャンのすべてを真似するようになり、顔が明らかになったとき、男はまるでチャンそのものだった―。
公式サイト http://real-moviejapan.com/
一人二役のキム・スヒョンは熱演だったものの・・・
本作は【誕生】【対決】【リアル】の3章から構成されているが、どんどん支離滅裂になっていく。特にCGを駆使した最終章はまったくリアリティに欠け、映画は完全に方向性を見失っかのよう。終盤はまさに“キム・スヒョン祭り”といえる。監督が描こうとしたものは、凡人には到底理解できない世界観だったのかもしれない。
『リアル』
(2017年/韓国/138分)
2018年4月14日(土)より
シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
いろいろな意味で問題作…。
『犯罪都市』
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映画あらすじ
コワモテのマ・ソクト(マ・ドンソク)は拳ひとつで市民を守る強力班の刑事。
ある日、街のビリヤード場で刺傷事件が発生するが、ソクトは難なく犯人を逮捕。被害者は毒蛇組の組員で、犯人は対立するイス組の男。ソクトはそれぞれの組のボスにお互い上手くやっていくよう仲を取りもつ。
そんな中、毒蛇組の元に中国から来た黒竜組のチャン・チェン(ユン・ゲサン)が現れる。チャンは毒蛇組の組員が作った借金を理由にボスの毒蛇を殺害。しかも毒蛇組を乗っ取り、街で傍若無人な振る舞いを始める。ソクトたち強力班はチャンらを一網打尽にすべく計画を練るが、縄張りをあらされたイス組も黙っておらず、ついに三つ巴の戦いが始まる。
公式サイト http://www.finefilms.co.jp/outlaws/
“マブリー”の愛称で親しまれるマ・ドンソクのキャラが光りすぎ!
『新感染 ファイナル・エクスプレス』で次々とゾンビを倒した“マブリー”(マ・ドンソク&ラブリーの略)待望の最新作。本作は2004年、日常的に暴力行為を繰り返す韓国系中国人暴力組織が一斉摘発された事件を基に描かれている。
何かと規格外のキャラクターに魅了されてか、公開後は口コミで評判が広がり、異例の大ヒットに。
『犯罪都市』
(2017年/韓国/121分)
2018年4月28日(土)より
シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか公開
ユン・ゲサンも長髪でヤクザ役を熱演!
text:児玉愛子