日本で上映される今月の韓国映画

2018.12.17 14:29

日本のベストセラー小説も原作に?「年末年始の韓国映画」

今月から来月にかけて次々と韓国映画が公開される。日本や中国のベストセラーを映画化したものや、スペイン映画のリメイクまで。どれも韓国らしいテイストに仕上がっていて面白い。極上のサスペンスから逃亡劇まで幅広いラインナップだ。

『いつか家族に』

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映画あらすじ

朝鮮戦争が休戦となった1953年。ホ・サムグァン(ハ・ジョンウ)は美しい娘オンナン(ハ・ジウォン)に一目惚れ。彼女には金持ちの恋人がいると知りながら、自ら売血してデート費用を稼ぎ、プロポーズする。やがて二人は結ばれ、3人の子宝に恵まれた。

貧しいながらも幸せに暮らす家族だったが11年後、長男のイルラクがオンナンの元恋人の子供だったことが発覚。手塩にかけて育ててきた息子が他人の子だと知り、ついイルラクにつらく当たるサムグァン。やがて親子の絆を取り戻す二人だったが、イルラクが予期せぬ病に倒れてしまう。サムグァンは法外な治療費を捻出するため、売血しながらイルラクが入院するソウルの病院を目指すが―。

 

公式サイト: http://www.finefilms.co.jp/kazoku/

 

中国の大ベストセラー『血を売る男』が原作

原作は世界中で読まれている中国のベストセラー『血を売る男』(河出書房新社)。主演のハ・ジョンウが監督として映画化したもの。

血のつながらない子供のために、命がけで自分の血を売る父親。正気の沙汰じゃないように見えるが、血よりも濃いのは親子の情。映画を見終わると韓国のマンドゥ(肉まん)が無性に食べたくなる。

 

写真説明

『いつか家族に』
(原題:『ホ・サムグァン(許三観)』 2015年/韓国/124分)
12月22日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋他にてロードショー

血の気は多そうだけど・・・

『死体が消えた夜』

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映画あらすじ

大学教授のジンハン(キム・ガンウ)は、その日、妻のソリ(キム・ヒエ)を毒殺した。財閥2世で大手製薬会社の会長を務める年上妻のソリに所有物のように扱われることに不満を感じ、不倫相手の女子学生ヘジン(ハン・ジアン)も妊娠。妻と別れるためには殺す以外になかった。

証拠の残らない新薬を使い、ジンハンの狙い通りソリは病死と判断された。ところが一本の電話が彼の運命を一変させる。なんと、遺体安置所から妻の死体が消えたという。

現場に呼び出されたジンハンに対し、ベテラン刑事のジュンシク(キム・サンギョン)の執拗な尋問が始まる。果たして、誰が一体なんのために? だが、これは奇妙で恐るべき一夜の幕開けに過ぎなかった。

 

公式サイト: http://klockworx-asia.com/shitai/

 

この結末は誰にも予測できない!

ストーリーの面白さでは、今回こちらで紹介する作品の中でダントツ!と言っていい。スペイン映画『ロスト・ボディ』を原作としたリメイク作品だが、終盤でのストーリー展開はまったくの予想外で、とても驚かされる。もちろん殺したはずの妻が生き返るという単純な話では終わらない。たどり着く結末に思わず呆然とするだろう。

 

写真説明

『死体が消えた夜』
(原題:『消えた夜』 2018年/韓国/101分)
2018年12月22日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて公開

人間不信に陥るかもしれない一本(笑)

『それだけが、僕の世界』

(c) 2018 CJ E&M CORPORATION, JK Film ALL RIGHTS RESERVED.

 

映画あらすじ

かつてプロボクサーとして脚光を浴びていたジョハ(イ・ビョンホン)。40歳を過ぎた今はチラシ配りで生活費を稼いでいる。ある日、ジョハは17年ぶりに母インスク(ユン・ヨジョン)と再会を果たす。一緒に家に向かうと、そこには初めて会う弟ジンテ(パク・ジョンミン)が住んでいた。サヴァン症候群の弟の出現に戸惑うジョハは母との確執もあったが、こうして3人の奇妙な共同生活が始まる。

ジンテは日常生活で介助を必要とするが、天才的な音感とピアノの才能を持っていた。仕事のため1ヶ月近く家を空けるというインスクは、その間に開催されるピアノコンクールにジンテを出場させたいとジョハに懇願。だが運命の歯車は予想しない方向へと回り始め―。

 

公式サイト:  http://sorebokumovie.com/

 

こんなイ・ビョンホンの姿はめったに見られない!

過去の栄光と挫折、親子の情、家族の絆…といった要素がギッシリ。“てんこ盛り”感は否めないが、ピアニストのガユル(ハン・ジミン)の存在が一服の清涼剤となっている。韓国での観客動員数は341万人を記録。

近年のイ・ビョンホンといえば、殺し屋、ヤクザ、詐欺師と特異なキャラクターばかり。本作での庶民的な姿が新鮮。

 

写真説明

『それだけが、僕の世界』
(2018年/韓国/120分)
2018年12月28日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

弟のトイレの世話までするイ・ビョンホンの姿は貴重

『22年目の記憶』

© 2018 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

 

映画あらすじ

1972年、朝鮮半島では南北共同声明が発表され、初の南北首脳会談が開かれることに。韓国政府は会談に備え、北の最高指導者である金日成の代役オーディションを秘密裏に行うのだった。そこで売れない役者ソングン(ソル・ギョング)が抜擢される。

ソングンは「この役だけは誰にも渡さない」と厳しい訓練をこなし、次第に金日成が乗り移ったかのように演じられるように。だが代役が日の目を見ることはなかった。

22年後、年老いて自らを金日成と信じ込む父は老人ホームへ。一方、父に人生を狂わされた息子テシク(パク・ヘイル)は詐欺師になっていた。同居を始める二人だったが、再び南北首脳会談のニュースが流れ、ソングンはついに大統領の元へ―。

 

公式サイト: http://www.finefilms.co.jp/22nenme/

 

韓国の名優ソル・ギョングが大根役者や北の独裁者を熱演!?

監督が描きたかったのは父と息子の物語。序盤、息子の前で立派な姿を見せたいと願うのに、そうできない父の姿に胸が痛む。

見どころは老いた父親が憑依したように北の最高指導者を演じるシーン。だが金日成は1994年に亡くなっている。ソル・ギョングの熱演が、金日成の実像をよく知らない日本人の心にどこまで響くのだろう。

 

写真説明

『22年目の記憶』
(原題:『私の独裁者』 2014年/韓国/128分)
2019年1月5日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋他にてロードショー

可愛かった息子はお調子モンの詐欺師に

『ゴールデンスランバー』

2018 CJ E&M CORPORATION, ZIP CINEMA, ALL RIGHTS RESERVED.

 

映画あらすじ

宅配ドライバーのゴヌ(カン・ドンウォン)は配達途中で人気女性アイドルに襲いかかってきた強盗を撃退。“勇敢な市民”として報じられ、時の人に。

ある日、ゴヌは次期大統領選に沸く光化門で、高校時代のバンド仲間ムヨル(ユン・ゲサン)と会う。ところが、目の前で次期大統領の最有力候補者が爆弾テロによって暗殺される。ムヨルはある人物の携帯番号をゴヌに渡し、「誰も信じるな。生きろ」と告げ、死ぬはずだったゴヌに代わって自爆する。

その瞬間から無数の人物に命を狙われ、、理由も分からないまま逃げることになったゴヌ。やがてこの計画が国家権力によって仕組まれたものだと知る。生きて自らの無実を証明するための逃走と反撃が始まるが―。

 

公式サイト http://hark3.com/goldenslumber/

 

邦画『ゴールデンスランバー』とは違った展開に!?

「本屋大賞」「山本周五郎賞」を受賞した伊坂幸太郎のベストセラー小説が原作。日本でも映画化され、堺雅人が主演している。原作に忠実なのは邦画だが、韓国版も緊張感あふれる展開に。特に終盤では邦画とは違った結末になっている。日韓どちらの作品もビートルズの名曲が作品に華を添えていて、甘酸っぱい気持ちにさせられる。

 

写真説明


『ゴールデンスランバー』
(2018年/韓国/108分)
2019年1月12日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次公開

右から二番目のキム・ソンギュンとカン・ドンウォンが実年齢も近いとは驚き

text:児玉愛子

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記事最終修正日時: 
2018.12.17 14:44
※上記の内容は事情により変更される場合もございます。あらかじめご了承ください。

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